川棚の杜

2016年4月5日 

第7回川棚・コルトー音楽祭「京都フランス音楽アカデミー特別演奏会」パスキエ・トリオ

photo : Hamabe Kouji

 

「京都フランス音楽アカデミー」は、エコールノルマル音楽院等、フランス最高峰の音楽教育機関の教授が学校の垣根を越えて集まり、演奏会ではその時限りの贅沢なアンサンブルを聴かせる事が魅力の一つ。。。なのですが、今回は、結成して永い『パスキエ・トリオ』の三人がそろって来日されるということで、川棚へお招きすることとなりました。

 

ヴァイオリンのレジスさんと、ヴィオラのブルーノさんは実のご兄弟です。川棚へはこれが三度目のご登場となるブルーノさんが率先してお二人を案内する場面もあり、気心知れた古い仲間ということにラテンの陽気さも相まって、終始笑いが絶えないご一行。

 

2曲目に演奏されたジャン・フランセの前に急遽入ったレジスさんのトークによる曲目解説では「フランセの音楽仲間であるパスキエ兄弟の実父の為に作曲された曲」という秘話が明かされ、とても和やかな雰囲気の中、愉悦に溢れるこの曲が演奏されました。

熟練のトリオが奏でる響きと醸し出すオーラに、お客様がみなさん笑顔で、大感動でホールがいっぱいになった夜でした。

(イベント企画制作 増田玲子)

レジス・パスキエ Régis Pasquier ヴァイオリン
幼少時より音楽に触れた早熟の才能は、12歳にしてパリ国立高等音楽院のヴァイオリンと室内楽部門で1位を獲得。14歳で渡米し、アイザック・スターン、ダヴィット・オイストラフ、ピエール・フルニエ、ナディア・ブーランジェに出会う。その後、ジノ・フランチェスカッティと、バッハの「2つのヴァイオリンのための協奏曲」を録音。世界各国の名指揮者と共演し、国際的な評価を不動のものとする。近年の録音は、ベートーヴェンとチャイコフスキーの協奏曲集やバーンスタインのセレナーデ、ヴァイルのヴァイオリン協奏曲Op.12。若手育成にも力を注ぎ、85年から11年までパリ国立高等音楽院教授を務めた。室内楽では、ペヌティエ-パスキエ-ピドゥー トリオによる演奏でラフマニノフのピアノ三重奏曲をリリースし、好評を博す。パガニーニのカプリース全曲をコンサートで演奏する数少ないヴァイオリニストの一人。使用楽器は1734年製グァルネリ・デル・ジュスの「クレモナ」である。

 

photo : Manabu Hieda

ブルーノ・パスキエ Bruno Pasquier ヴィオラ
43年生まれ。61年にパリ国立高等音楽院で1等賞を獲得。65年ミュンヘンのARDコンクールで優勝。65年~85年、パリ・オペラ座管弦楽団の首席ヴィオラ奏者、85年~90年、フランス国立管弦楽団の首席ヴィオラ奏者。豊かで美しく力強い音色によって、世界で最も才能あるヴィオラ奏者のひとりと評せられている。ヴァイオリンのレジス・パスキエ(弟)とチェロのロラン・ピドゥとともに弦楽三重奏団を結成。レコード録音では、76年にディスク大賞、77年にフランス・ディスク・アカデミー大賞など多数の賞を受賞。様々な制作にも携わり、08年、ラジオ・フランスにて映画「青いパパイヤの香り」や「夏至」の音楽を担当したトン=ツァ・ティエのヴィオラ・コンチェルトを演奏。数々の国際アカデミーでも教えており、72年よりパリ国立高等音楽院にて教鞭をとる。レジオン・ドヌール勲章シュヴァリエ章、芸術文化勲章オフィシエ章受章。14年秋よりパリ・エコール・ノルマル音楽院教授。

 

photo : Kouji Hamabe

ロラン・ピドゥ Roland Pidoux チェロ
パリ国立高等音楽院を卒業。ジャン・ユボーと、ジョセフ・カルベに師事し、ソリストとしての活動と同時に、室内楽の活動にも精力的に取り組む。68年に、ジャン=ピエール・ヴァレーズと、パリ室内管弦楽団の前身「フランス器楽アンサンブル」を創設し、ヴィア・ノヴァ四重奏団にメンバーとして7年間参加したのち、パスキエ兄弟(レジス、ブルーノ)とともに、弦楽三重奏団パスキエ・トリオを結成。室内楽では、アイザック・スターンや、ピエール・フルニエ、ジャン=ピエール・ランパル、ムスティスラフ・ロストロポーヴチ等と共演。69年には、パリ国立歌劇管弦楽団、そして78年から87年までフランス国立管弦楽団のソリストとなる。ピアニスト、ジャン=クロード・ペネティエと再会後、レジス・パスキエとトリオを結成。88年より、恩師のナヴァラを継いで、パリ国立高等音楽院の教鞭をとり、現在パリエコール・ノルマル音楽院教授。ジャン=クロード・ペヌティエとともに、サフィール・レーベルよりリリースしたベートーヴェンのチェロとピアノのための作品全集は、フランスで絶賛される。

 

photo : Kouji Hamabe

日時:2016年4月5日(火)19:15開演(18:45開場)
出演:パスキエ・トリオ
【メンバー】
レジス・パスキエ(ヴァイオリン)
ブルーノ・パスキエ(ヴィオラ)
ロラン・ピドゥ(チェロ)

演奏曲:
セレナードニ長調 op.8(L.v.ベートーヴェン作曲)
弦楽三重奏曲(ジャン・フランセ作曲)
ディヴェルティメント変ホ長調 K563(W.A.モーツアルト作曲)

 

photo : Kouji Hamabe

制作協力:
京都フランス音楽アカデミー実行委員会、アンスティチュ・フランセ関西

主催:コルトー音楽祭実行委員会、川棚温泉まちづくり株式会社

 

photo : Manabu Hieda

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